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◆阿闍梨餅(あじゃりもち)・末富(すえとみ) |
(この菊の背景画像は、EyesPic - フリー画像素材さまより)
今なお、京都は、非常にレベルの高い職人の町といわれます。
その理由のひとつに、御所との関わりが挙げられるでしょう。
長い間、皇室は、京都に居をかまえていました。
職人たちは、
「天皇陛下に使っていただけるかどうか」
という考え方で、物づくりをしてきました。つまり、御用達(ごようたし)を目指していた。都市全体がそのために腕を磨いていた、という事です。
売れればいい、金もうけができたらいい、生活できたらいい、とかとは、全く違うレベルの話なんです。
京都の老舗職人が一番喜ぶことは、売れることではなく、「物のわかる人に、喜んでもらえること」だといいます。
陛下にかぎらず、高貴な人に、心から喜んでもらえるにはどうしたらいいか。そのためには、出すタイミングや、材料。菓子の姿形から、果ては包装にいたるまで、一切ごまかしの効かないものを作らなくてはいけない。なおかつ、それを驕らない麗しい「もてなし」の心も感じさせなくてはいけない。それでもなお、足りない要素も出てくる。それは、何かと、絶えず、時代に合わせてアイディアも出さなくてはならない。遊び心のセンスも必要。和歌や、芸術を菓子に反映させるため、教養だって、磨いてなくてはいけない。
京都の工芸、食文化の技術は高い。その理由は、この高みを目指して切磋琢磨してきた歴史に見出すことができます。最高の人のためのもの、最高のレベルというものは何か、と、絶えず考え続けてきた結果が、今日(こんにち)の京文化なのです。
このような”根”があるからこそ、陛下が東京におます今も、「京都」はブランド力を磨き続け、「京都」足りうるのだと、いえるのです。
(まあ、今日、どうしようもなく堕落している劣悪商品も、実は、あります。「京都」と名づけたら観光客が飛びつくと思っている、犬畜生にも劣るヤカラもいると、一応申し上げておきましょう…。)
しかし、一方、この御用達、という意味合いとは別に、単に、和菓子に菊のご紋を使ったりすることがあります。
菊という花自体、長寿の象徴です。なので、菓子のモチーフにはよく用いられます。が、京都においては、やはり、長年続いた「御所と京都の歴史」が強調されています。
京都御所。その場所は、今なお人々に親しまれています。
今、陛下のお住まいは東京。しかし、現代でも、京都は、京都御所あっての京都であることはいうまでもありません。
そのような、御所に親しみと敬意をこめて、十六弁の菊のご紋を菓子に用いたりします。また、「御所」という名前を用いた菓子もいくつかあります。
このようなものをここでは「御所もん」と呼びたいと思います。
二条城近くの「源水(げんすい)」の「古都」は、品のいい麩焼煎餅(ふやきせんべい)。菊のご紋を焼印してあります。
また、京都三条の「御所飴本舗」は、ロゴに、まさに、菊のご紋を用いた、京飴(きょうあめ)のお店。また、老松の御所車なども、人気のお菓子です。笹屋昌園の「大御所」は、ブッセに自慢の餡子が入った豊かな味。
また、社寺に用いる御紋菓(ごもんか)とは、社寺の紋をかたどった菓子。干菓子などが多いです。国家鎮護のための護国寺などの紋は、天皇家と同じく、十六弁の菊の所があります。このような、御紋菓にも、菊の御紋章が使われます。
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